おはようございます!!
昨日は久しぶりに心がズキズキしました。
私の仲の良い同期が妊娠していまして、今日で産休前ラストの勤務です。
この子は不妊治療をしばらくしていて、妊娠出来ると良いなぁと心配でしたし、死産後に妊娠したと聞いた時は本当に嬉しかったです。
なので、この子と話をするのは普通に出来るんですが、そこに第三者が加わってくると話は別で…。
私とその子と、共通の知り合いで3人で話していたんですね。
この共通の知り合いは職場の方ですので私の死産を知っています。
それで、産休の話になって、その共通の知り合いの方が「お腹大きくなって〜、良いねぇ」って言ったんですね。
いや、別に普通の言葉なんですけど、その瞬間に私はどういう顔でそこにいれば良いのか分からなくなってしまいまして。
なんかとても複雑な気持ちになってしまいました。おそらくかなり顔引きつっていたんじゃないかと思います。
その子の赤ちゃんには無事に生まれてきて欲しいと思うことに変わりはないですが…なんでしょう、妊娠とか産休とか出産とか元気な赤ちゃんとか、やっぱり私にとってはまだまだ一種の引き金だなと再認識しました。
すいません前置きが長くなってしまいました。
そうです、今のは前置きですよ、本編はこれからです。笑
さて、今日は死産後に読んだ「 死別の悲しみに向き合う グリーフケアとは何か 」という本について紹介します。
死別の悲しみに向き合う グリーフケアとは何か
本書概要
本書は、悲嘆学や死生学の研究をされている坂口幸弘氏によって書かれており、研究者の立場から悲嘆について述べられています。
死別により生じた悲嘆全般について書かれているので、子供や赤ちゃんの死について言及している箇所は少ないです。
しかし、悲嘆全般について書かれていることから、悲嘆とは何かということから始まり、死別により悲嘆の状態に陥った時にどうすればいいか等が体系的に述べられています。
中でも、「第五章 あなたが死別した時必要なこと、役に立つこと」では、悲嘆を経験した時の対応として
- 悲嘆のプロセスにおいては、自分の気持ちとじっくり向き合う時間も必要
- 気持ちを楽にするひとつの方法は、そのときどきの気持ちを無理に抑え込まずに、ありのままの気持ちを表現することである。悲しみを抑えるのではなく、十分に悲しみを経験し、悲しみ切ることが大切。
- 自分の気持ちを書いてみたり、故人に手紙を書いてみるのも効果的
と書かれています。
特に二つ目のポイントの「悲しみきる」ということに関しては多くの本等で目にすることであり、私自身死産直後に意識していたことでもあります。
月日が流れたり、職場に復帰したりすれば、気持ちが落ち込んだとしても必然的に泣かないようにするブレーキが働いてしまうと思うので、悲しめる時に悲しみ切っておくことって本当に大切だと思います。
本書の中でも触れられていますが、泣くのにも体力が要るのでそれはそれで大変ですが。
泣きたい時、悲しい時は我慢しない方がいいと思います。
最後に、本書の中で紹介されていた西田幾多郎の言葉について書いておきたいと思います。
私の中でとてもしっくりきた言葉でもあります。
西田の文章は、序文にもかかわらず、本の内容にはいっさい触れておらず、子どもの死の悲しみが切々と綴られている。じつは、彼自身も同時期に。六歳になったばかりの次女と、生まれて一ヶ月の五女を立てつづけに亡くしていたのである。
時はすべての傷を癒すといふのは自然の恵であって、一方より見れば大切なことかも知らぬが、一方より見れば人間の不人情である。何とかして忘れたくない、何か記念を残してやりたい、せめて我一生だけは思ひ出してやりたいといふのが親の誠である。(中略)折にふれ物に感じて思ひ出すのが、せめてもの慰藉である。死者に対しての心づくしである。この悲は苦痛といへば誠に苦痛であらう。しかし親はこの苦痛の去ることを欲せぬのである。
まさにその通りだなと思います。
苦しみからは逃れたいけど、忘れたい訳ではない。
流産や死産、新生児死等を経験された方々の体験というのは、個々の背景が違うので一つとして同じものはないと言われていますが、「何としても忘れたくない」と思うのはみんな同じなのだと思います。
それぞれのペースでゆっくり悲嘆と向き合って行きましょう。
今日紹介した本のリンクを貼っておきますので参考にして下さい。
それでは、仕事行ってきまーす!!